Nature ハイライト
脳:視覚皮質では神経抑制が支配的
Nature 493, 7430
麻酔下で記録された視覚皮質の神経活動は、例外なく興奮性電流と抑制性電流とのバランスの産物として表わされるため、この関係が視覚的特性に対するニューロンの選択性を決めると考えられてきた。今回M Carandiniたちは、麻酔下および覚醒して行動中のマウスで測定した一次視覚野の細胞内活動を比較した。麻酔下では興奮と抑制がほぼバランス状態にあるのに対し、覚醒状態では抑制のほうが興奮よりも強く、刺激の空間範囲もより広いことがわかった。したがって、覚醒下での視覚応答は抑制に支配されており、これが応答の時間的、空間的な範囲を制限して視覚の選択性を形作っていると考えられる。
2012年1月3日号の Nature ハイライト
物性:風変わりな金属状態
遺伝:ヒトの腸内微生物叢の遺伝的変動
構造生物学:プレセニリンの構造決定
宇宙:銀河中心から噴き出る磁気アウトフロー
物性:閃光が誘電体を伝導体に変える
気候:政治的なためらいは高くつく
進化:エディアカラ紀の陸上生物
脳:視覚皮質では神経抑制が支配的
発生:振動する遺伝子を介する胚でのスケーリング
細胞:足場タンパク質が細胞周期の停止に歯止めをかける