Nature ハイライト
細胞:足場タンパク質が細胞周期の停止に歯止めをかける
Nature 493, 7430
DNA損傷や複製ストレスはチェックポイントキナーゼの活性化を引き起こし、それによって細胞周期が停止して、DNAの修復ができるようになる。しかしチェックポイントの活性化は、損傷が修復された後も細胞周期の停止が持続しないように、厳密に調節されなければならない。M Smolkaたちは、DNA修復の足場タンパク質であるSlx4とRtt107が複合体を形成し、Dpb11とリン酸化ヒストンH2Aと相互作用することを明らかにした。Dpb11とリン酸化ヒストンH2Aは、チェックポイントのアダプターでRad53キナーゼを活性化するRad9の正の調節因子である。このようにしてSlx4–Rtt107複合体は、Dpb11の結合とH2Aのリン酸化を指標にしてDNA損傷を直接的に監視し、チェックポイントキナーゼの活性を調節している。
2012年1月3日号の Nature ハイライト
物性:風変わりな金属状態
遺伝:ヒトの腸内微生物叢の遺伝的変動
構造生物学:プレセニリンの構造決定
宇宙:銀河中心から噴き出る磁気アウトフロー
物性:閃光が誘電体を伝導体に変える
気候:政治的なためらいは高くつく
進化:エディアカラ紀の陸上生物
脳:視覚皮質では神経抑制が支配的
発生:振動する遺伝子を介する胚でのスケーリング
細胞:足場タンパク質が細胞周期の停止に歯止めをかける