Nature ハイライト

細胞：オートファジーは両刃の剣

2013年2月21日 Nature 494, 7437

自己複製能を持っていてその一生を通じて成熟した血液細胞を作り出す造血幹細胞（HSC）が、転写因子FOXO3Aの発現で引き起こされるオートファジー介在性の生存応答によって代謝ストレスから保護されていることが、マウスを用いた研究で明らかになった。したがってオートファジーは、成体のHSCを保護することで血液恒常性の維持を助けるのと同時に、加齢に関連する血液疾患の発症に重要な、損傷を受けて機能不全もしくは形質転換を起こした古いHSCの生存を可能にすることで、間接的に血液系の老化にも関与していることになる。