Nature ハイライト
進化:種分化への足がかりとなる性フェロモン
Nature 494, 7437
生物の1つの種がどのようにして2つの新しい種に分かれるのかは、進化の最も重要で注目すべき局面の1つである。進化上の変化の土台となるのは生殖なので、性的な好みの変化が種の分化を促進させることはよくある。しかし、ここで疑問が生じる。似たような種がたくさんいる中で、同じ種の雄と雌がお互いを見つけ出す確実かつ安定した方法がすでにできている場合、性的シグナルの変化はどのようにして始まるのだろうか。雄のカリバチは、既存の性フェロモンの変異体を進化させ、それらが最初は雌に気付かれないことが明らかになった。このような変異体は、正の選択を受けることも、負の選択を受けることもなく、ただ、この変異体を特異的に感知する仕組みを雌が進化させるまで、集団内にそのまま維持されるのである。
2013年2月21日号の Nature ハイライト
細胞:オートファジーは両刃の剣
宇宙:ブラックホール質量の新たな測定法
物理:電子ビームを操作する新しい方法
材料:新型のエレクトライド
気候:熱帯林の炭素収支
進化:種分化への足がかりとなる性フェロモン
微生物学:サルモネラ菌のバランス戦術
生態:細菌SAR11はウイルス感染があっても繁栄している
医学:脱アミノ反応が引き起こすがん変異
生化学:代替NF-κB 経路の制御