Nature ハイライト
材料:新型のエレクトライド
Nature 494, 7437
エレクトライドは、電子が陰イオンとして振る舞うイオン結晶で、その物性は、陰イオン的電子を閉じ込める空洞のトポロジーに大きく依存する。したがって、エレクトライドの実用化に向けた重要なステップは、独特なトポロジーを持つ新しい電子閉じ込め空間の発見である。これまで、二次元電子層の閉じ込めは、通常は半導体材料のヘテロ界面構造を人工的に作製して実現されてきた。今回、そのような挙動を示す材料の範囲が広がり、窒化二カルシウム(Ca2N)というエレクトライドにつながった。Ca2Nは、適切な層間隔と電子が捕捉されずに層状に弱く束縛されることを可能にする化学的性質を有し、理想的な電子閉じ込め特性を示す。今回の研究は、エレクトライドの新しい材料イメージを提示するものであり、独特な物性を示す一連の二次元エレクトライドの実現につながるだろう。
2013年2月21日号の Nature ハイライト
細胞:オートファジーは両刃の剣
宇宙:ブラックホール質量の新たな測定法
物理:電子ビームを操作する新しい方法
材料:新型のエレクトライド
気候:熱帯林の炭素収支
進化:種分化への足がかりとなる性フェロモン
微生物学:サルモネラ菌のバランス戦術
生態:細菌SAR11はウイルス感染があっても繁栄している
医学:脱アミノ反応が引き起こすがん変異
生化学:代替NF-κB 経路の制御