Nature ハイライト
生化学:代替NF-κB 経路の制御
Nature 494, 7437
転写因子NF-κBは多数の生物学的過程を調節しており、その脱調節はさまざまな疾患の病因にかかわっている。脱ユビキチン化酵素OTUD7Bが、TRAF3タンパク質の分解の阻害により、NF-κB活性化の主要経路の1つの非古典的経路、すなわち代替経路を特異的に制御していることが、今回明らかにされた。マウスでのOTUD7B欠損は、抗体産生と腸の恒常性維持の重篤な異常を引き起こす。これらの結果は、粘膜免疫を増強し、非古典的NF-κB経路と関連する疾患の治療を目的とする薬剤の治療標的候補として、OTUD7Bが有望である可能性を示している。
2013年2月21日号の Nature ハイライト
細胞:オートファジーは両刃の剣
宇宙:ブラックホール質量の新たな測定法
物理:電子ビームを操作する新しい方法
材料:新型のエレクトライド
気候:熱帯林の炭素収支
進化:種分化への足がかりとなる性フェロモン
微生物学:サルモネラ菌のバランス戦術
生態:細菌SAR11はウイルス感染があっても繁栄している
医学:脱アミノ反応が引き起こすがん変異
生化学:代替NF-κB 経路の制御