Nature ハイライト

物理:ありそうもない結合

Nature 441, 7095

物理学では、互いに引力を及ぼし合う物体は、もっているエネルギーを下げることにより安定な束縛状態を形成するというのが常識だ。しかし、斥力相互作用をしている場合でも、特定の条件下では安定な複合物が存在する。今週号には、そのような珍しい束縛状態を作り出したことが報告されている。この状態は、光格子中にある極低温のルビジウム原子のペアが作り出すものだ。強い斥力相互作用をするこの原子ペアは、光格子中で特定の位置にあると、自らの位置エネルギーを運動エネルギーに転換できないために崩壊しなくなり、安定となる。この現象は、極低温の量子気体の構造を記述するボーズ‐ハバード模型の拘束条件によって説明できる。

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