Nature ハイライト 宇宙:衛星の重さが決まる仕組み 2006年6月15日 Nature 441, 7095 太陽系の巨大な外惑星は、それぞれ複数の衛星を伴っている。衛星の質量の合計は、各母惑星の質量に対して同程度の割合になっており、いずれも母惑星の10万分の1程度である。今回、このような値に落ち着く理由を説明できそうな説が発表された。岩石や氷でできた固体と水素ガスを集めて巨大惑星に成長させる数値モデルでは、衛星への新たな物質の流入とガスが引き起こす軌道減衰による物質の損失という2つの過程のつりあいにより、衛星と母惑星の質量比は1対10万の値で安定になる。この結果は、太陽系外の惑星についての考えにも影響してくる。木星サイズの惑星には地球サイズの衛星があって生命が存在するかもしれないという考えがあるが、木星程度の大きさでは火星から月くらいの大きさの衛星しか形成されそうにないという今回の結果からすると、再考が必要だ。 2006年6月15日号の Nature ハイライト 細胞:エイズウイルスの構造 宇宙:地球の中心部を調べる 宇宙:衛星の重さが決まる仕組み 細胞:単一細胞プロテオミクス 物理:ありそうもない結合 進化:1+1が3になる 化学:新しい形態の二酸化炭素 認知:探索の精神の宿るところ 神経:きれい好きは健康のもと 目次へ戻る