Nature ハイライト

細胞:エイズウイルスの構造

Nature 441, 7095

低温電子顕微鏡を使ったトモグラフィー解析によって、HIV-1表面上のタンパク質でできたスパイクの構造がかつてない詳しさで解明された。このスパイクによってHIV-1は、ヒトの免疫細胞に極めて効率よく結合して融合できる。ウイルス1粒子には平均14個のスパイクがあってその一部は密に集まっているが、こうした特徴はウイルスの組み立てや感染力、中和などの仕組みに関係していると思われる。意外だったのはスパイクの柄の構造だ。これまで、この部分は密着して束になった3本の棒状構造でできており、その上にスパイク頭部がのっていると考えられていた。だが実際には、柄の3本の脚はウイルス膜との接触が最大になるように三脚のように開いていることがわかった。

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