Nature ハイライト 細胞:エイズウイルスの構造 2006年6月15日 Nature 441, 7095 低温電子顕微鏡を使ったトモグラフィー解析によって、HIV-1表面上のタンパク質でできたスパイクの構造がかつてない詳しさで解明された。このスパイクによってHIV-1は、ヒトの免疫細胞に極めて効率よく結合して融合できる。ウイルス1粒子には平均14個のスパイクがあってその一部は密に集まっているが、こうした特徴はウイルスの組み立てや感染力、中和などの仕組みに関係していると思われる。意外だったのはスパイクの柄の構造だ。これまで、この部分は密着して束になった3本の棒状構造でできており、その上にスパイク頭部がのっていると考えられていた。だが実際には、柄の3本の脚はウイルス膜との接触が最大になるように三脚のように開いていることがわかった。 2006年6月15日号の Nature ハイライト 細胞:エイズウイルスの構造 宇宙:地球の中心部を調べる 宇宙:衛星の重さが決まる仕組み 細胞:単一細胞プロテオミクス 物理:ありそうもない結合 進化:1+1が3になる 化学:新しい形態の二酸化炭素 認知:探索の精神の宿るところ 神経:きれい好きは健康のもと 目次へ戻る