Nature ハイライト
宇宙:明らかになり始めた大質量スターバースト銀河
Nature 496, 7445
宇宙で最初の大質量スターバースト銀河の物理的性質は、初期宇宙の構造形成のパターンに関して重要な手がかりを与える。しかし、激しい星形成領域は、塵に覆い隠されることが多いため、非常に高い赤方偏移にあるこのような系を探索することは大変な難問であった。今回、ビックバンからちょうど8億8000万年後、つまり現在の宇宙年齢の16分の1に対応する赤方偏移z = 6.34に大質量スターバースト銀河が見つかり、太陽質量の1,000億倍に当たる量のガスの存在が、輝線データから明らかになった。これは銀河のバリオン、つまり目に見える物質の質量の少なくとも40%に相当する。この銀河では、天の川銀河の2,000倍以上の速度でガスを星へ転換する強いスターバーストが起こっている。これらの知見は、初期宇宙ではきわめて激しいスターバーストによって大質量銀河が形成されたとする理論と一致している。
2013年4月18日号の Nature ハイライト
構造生物学:細菌カリウム輸送体の特性
宇宙:明らかになり始めた大質量スターバースト銀河
材料:ひずむと強くなる
物理化学:有機化学的性質を明らかにする超高輝度電子線
環境科学:水フラックスの算定では植物が支配的である
考古学:魚の調理に使われた最古の土器
生態:転換点までの距離を測る
発生:胚でのレチノイン酸の分布