Nature ハイライト
考古学:魚の調理に使われた最古の土器
Nature 496, 7445
土器の発達は人類の歴史の中でも画期的な出来事の1つであり、高度な調理や貯蔵などの多くの技術に道を開いた。知られているかぎりで最古の土器製作民は、農耕や定住的な生活様式が発達するはるか以前の東アジアに居住していた。当時それらの土器が何に使われていたのかは推測の域を出なかったが、今回その化学的分析が行われた。縄文時代草創期(1万5000〜1万1800年前)の焦げの付いた土器101点について、クロマトグラフィーによる安定同位体分析が行われた結果、土器が調理に使われていたことを示す最古の証拠が得られた。また、土器の破片から抽出された脂質は、海産および淡水産の生物に特徴的なものだったので、当時のメニューには魚が含まれていたと考えられる。
2013年4月18日号の Nature ハイライト
構造生物学:細菌カリウム輸送体の特性
宇宙:明らかになり始めた大質量スターバースト銀河
材料:ひずむと強くなる
物理化学:有機化学的性質を明らかにする超高輝度電子線
環境科学:水フラックスの算定では植物が支配的である
考古学:魚の調理に使われた最古の土器
生態:転換点までの距離を測る
発生:胚でのレチノイン酸の分布