Nature ハイライト
環境科学:水フラックスの算定では植物が支配的である
Nature 496, 7445
地表面から大気への水フラックスは、蒸発と葉の気孔からの蒸散に分けられる。物理的過程と生物的過程に分けるというやり方は一見基本的であると思われるが、全球のフラックスに対してこの2つがそれぞれどういう割合を占めるかについては意見が一致しておらず、将来の気候変動に対する応答についてもよくわかっていない。今回、S Jasechkoたちは、大きな湖に関する全球のデータセットから得られた蒸散と蒸発の同位体組成を用いて、地球の全蒸発散量の90%に当たる大量の水が、植生を介して蒸散によって循環していることを明らかにした。今回の研究から得られる結論の1つは、気候モデルを改善するには、物理的なフラックスではなく、生物的なフラックスの精度を優先すべきだということである。
2013年4月18日号の Nature ハイライト
構造生物学:細菌カリウム輸送体の特性
宇宙:明らかになり始めた大質量スターバースト銀河
材料:ひずむと強くなる
物理化学:有機化学的性質を明らかにする超高輝度電子線
環境科学:水フラックスの算定では植物が支配的である
考古学:魚の調理に使われた最古の土器
生態:転換点までの距離を測る
発生:胚でのレチノイン酸の分布