Nature ハイライト
構造生物学:smoothened受容体の構造
Nature 497, 7449
smoothened(SMO)受容体は、ヘッジホッグシグナル伝達経路の重要なシグナル伝達物質の1つで、この伝達経路は正常な胚発生の維持に関わっており、また発がんにも関係している。SMO受容体は、frizzledとともにGタンパク質共役受容体(GPCR)クラスFに分類されてきた。今回、ヒトSMO受容体が小分子アンタゴニストのLY2940680と結合した状態の結晶構造が報告された。LY2940680は、現在臨床試験中の経口抗がん剤である。これは、クラスA以外のGPCRの構造として初めて報告されたものであり、クラスAのGPCRで保存されているモチーフのほとんどを欠いている。また、この構造から4つのジスルフィド結合で安定化された長い細胞外ループの非常に複雑な配置が明らかになった。
2013年5月16日号の Nature ハイライト
進化:系統発生解析に待ったをかける
構造生物学:smoothened受容体の構造
宇宙:天王星と海王星の気候は薄い層に閉じ込められている
工学:エネルギー効率の良い電気ポラリトンレーザー
材料:環境によりやさしい鉄鋼生産
進化:発生に基づく遺伝子型–表現型マップ
水産学:温暖化に対する魚類個体群の応答
細胞生物学:低酸素がmiRNAに与える影響
微生物学:バイオフィルムは「金持ちはさらに金持ちに」型の仕組みによって作られる
生化学:感染性インフルエンザウイルスの受容体との結合