Nature ハイライト
生化学:感染性インフルエンザウイルスの受容体との結合
Nature 497, 7449
ヒトインフルエンザウイルスの主構造中に組み込むとフェレット間での飛沫感染も仲介できるようになるH5鳥インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(赤血球凝集素;HA)が最近同定され、この種のウイルスの伝播の特性を詳しく調べるためのモデルが得られるようになった。新たな研究では解明がさらに進み、これと同じく感染性を持つ変異ウイルスでは、ヒト受容体への親和性がわずかに上昇しているが、鳥受容体への親和性の方は著しく低下していて、ヒト受容体に対する結合の選択性が、鳥受容体の場合の200倍にもなっていることが示されている。また、ヒト受容体や鳥受容体の類似体と複合体を形成した変異HAの結晶構造が得られ、結合特性の変化の分子基盤の一部が明らかにされた。
2013年5月16日号の Nature ハイライト
進化:系統発生解析に待ったをかける
構造生物学:smoothened受容体の構造
宇宙:天王星と海王星の気候は薄い層に閉じ込められている
工学:エネルギー効率の良い電気ポラリトンレーザー
材料:環境によりやさしい鉄鋼生産
進化:発生に基づく遺伝子型–表現型マップ
水産学:温暖化に対する魚類個体群の応答
細胞生物学:低酸素がmiRNAに与える影響
微生物学:バイオフィルムは「金持ちはさらに金持ちに」型の仕組みによって作られる
生化学:感染性インフルエンザウイルスの受容体との結合