Nature ハイライト

細胞生物学:低酸素がmiRNAに与える影響

Nature 497, 7449

マイクロRNA(miRNA)を介した遺伝子発現の調節は、固形腫瘍の中心部で見られる低酸素状態のようなストレスに対する応答の際に起こる。M Hungたちは、がん遺伝子の産物である上皮増殖因子受容体(EGFR)が、miRNAの生合成に不可欠な因子であるargonaute 2(AGO2)をリン酸化し、またこのリン酸化が低酸素条件によって促進されることを明らかにした。AGO2のこうしたリン酸化によってmiRNAのプロセシングが妨げられるが、細胞の生存と侵襲性は増進される。そして、リン酸化されたAGO2の量が多い乳がん患者は、少ない患者に比べて予後がよくない。

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