Nature ハイライト
細胞生物学:低酸素がmiRNAに与える影響
Nature 497, 7449
マイクロRNA(miRNA)を介した遺伝子発現の調節は、固形腫瘍の中心部で見られる低酸素状態のようなストレスに対する応答の際に起こる。M Hungたちは、がん遺伝子の産物である上皮増殖因子受容体(EGFR)が、miRNAの生合成に不可欠な因子であるargonaute 2(AGO2)をリン酸化し、またこのリン酸化が低酸素条件によって促進されることを明らかにした。AGO2のこうしたリン酸化によってmiRNAのプロセシングが妨げられるが、細胞の生存と侵襲性は増進される。そして、リン酸化されたAGO2の量が多い乳がん患者は、少ない患者に比べて予後がよくない。
2013年5月16日号の Nature ハイライト
進化:系統発生解析に待ったをかける
構造生物学:smoothened受容体の構造
宇宙:天王星と海王星の気候は薄い層に閉じ込められている
工学:エネルギー効率の良い電気ポラリトンレーザー
材料:環境によりやさしい鉄鋼生産
進化:発生に基づく遺伝子型–表現型マップ
水産学:温暖化に対する魚類個体群の応答
細胞生物学:低酸素がmiRNAに与える影響
微生物学:バイオフィルムは「金持ちはさらに金持ちに」型の仕組みによって作られる
生化学:感染性インフルエンザウイルスの受容体との結合