Nature ハイライト
微生物学:バイオフィルムは「金持ちはさらに金持ちに」型の仕組みによって作られる
Nature 497, 7449
細菌が自己組織化により微小コロニーを形成するという、バイオフィルム形成に向けた第一段階の仕組みはほとんど解明されていない。今回、G Wongたちは、大量細胞同時追跡アルゴリズムを用いて、表面上で新たにコロニーを形成中の細胞1つ1つの運動履歴を調べた。この系によって、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)が自身の通った跡に細胞外多糖を沈着させ、この跡に遭遇した他の全ての細胞の運動性に影響を与えて、微小コロニー形成を細胞に指示する正のフィードバックが生じることが明らかになった。今回観察された正のフィードバックは、富の分配で観察される「金持ちはさらに金持ちに」という、べき乗則に似ている。
2013年5月16日号の Nature ハイライト
進化:系統発生解析に待ったをかける
構造生物学:smoothened受容体の構造
宇宙:天王星と海王星の気候は薄い層に閉じ込められている
工学:エネルギー効率の良い電気ポラリトンレーザー
材料:環境によりやさしい鉄鋼生産
進化:発生に基づく遺伝子型–表現型マップ
水産学:温暖化に対する魚類個体群の応答
細胞生物学:低酸素がmiRNAに与える影響
微生物学:バイオフィルムは「金持ちはさらに金持ちに」型の仕組みによって作られる
生化学:感染性インフルエンザウイルスの受容体との結合