Nature ハイライト
宇宙:天王星と海王星の気候は薄い層に閉じ込められている
Nature 497, 7449
巨大惑星で大気循環と気候がどれだけ深部にまで広がっているかは、数十年来の議論の的となっている。Y Kaspiたちは、ボイジャー2号とハッブル宇宙望遠鏡を使って天王星と海王星の風速を観測した結果と、重力場データと大気モデリングを組み合わせ、この2つの惑星の風が深さ1000 km以下の薄い「天候層」に閉じ込められていることを計算によって見いだした。この知見から、こうした風を支配している力学は、深い大気循環ではなく、浅い過程に由来することが示唆される。今回使われた方法論は、低い軌道を通過するジュノー探査機やカッシーニ探査機による観測から得られると期待される、木星や土星の詳細な重力場データにも応用できるはずだ。
2013年5月16日号の Nature ハイライト
進化:系統発生解析に待ったをかける
構造生物学:smoothened受容体の構造
宇宙:天王星と海王星の気候は薄い層に閉じ込められている
工学:エネルギー効率の良い電気ポラリトンレーザー
材料:環境によりやさしい鉄鋼生産
進化:発生に基づく遺伝子型–表現型マップ
水産学:温暖化に対する魚類個体群の応答
細胞生物学:低酸素がmiRNAに与える影響
微生物学:バイオフィルムは「金持ちはさらに金持ちに」型の仕組みによって作られる
生化学:感染性インフルエンザウイルスの受容体との結合