Nature ハイライト

水産学:温暖化に対する魚類個体群の応答

Nature 497, 7449

気候が温暖化する中、海洋では低い水温に適応した冷水種に代わって暖水種が増加すると予想されている。そうした特徴的パターンが今回、52の大規模な海洋生態系(世界の主要な漁場の大半を含む)の1970〜2006年の漁獲構成の研究で見つかった。この研究では、1つの指標として、平均漁獲水温(mean temperature of the catch;MTC)が考案された。これは、漁獲種の平均推定水温選好性に、年間漁獲量に応じた重み付けをして算出される。対象となった数十年にわたって、世界の水温選好性は10年間に約0.2°Cの割合で上昇し、この影響は熱帯以外の水域でより顕著であった。得られた知見を総合すると、気候変動が沿岸域の地域社会の経済や食糧確保に及ぼす影響を最小にとどめるための適応策を立てる必要性がはっきり浮かび上がってくる。

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