Nature ハイライト
宇宙:大域的な惑星形成率
Nature 499, 7456
現在に至るまで、古い散開星団にある星の周りでは、木星と同程度の質量を持つ惑星が4個しか見つかっていない。これに比べると、星団外の「散在星」の回りでは、惑星が800個以上見つかっており、その大部分は海王星と同程度の大きさである。大部分の星と惑星は、散開星団の中で生まれるが、星団内の星々は徐々に離れて散在星になっていき、散開星団は数億年以内にばらばらになる。だがもっと古い散開星団は残存する。なぜなら、その形成時の星の密度はもっと高く、惑星を持つ散在星とは星の環境が非常に異なっていたからだ。今回、ケプラー探査機による星団研究(Kepler Cluster Study)の一環として、年齢が10億歳の散開星団NGC6811にある2つの太陽類似星で、海王星よりも小さい惑星が前面通過する事象を観測した結果が報告されている。この結果は、密度の高い星団の環境で小さい惑星が形成され生き残れることを示しており、散開星団に見られる惑星の存在頻度と性質が、我々の銀河系の散在星にある惑星のものと矛盾しないことを示唆している。
2013年7月4日号の Nature ハイライト
医学:腎臓がんの統合的解析
分子生物学:53BP1タンパク質のDNA損傷部位への誘導
宇宙:大域的な惑星形成率
物理:人工原子の減衰をスクイーズする
生物無機化学:効率の良い水素生成のモデル
進化:古代のウマのDNAからウマ属系統を解明
神経科学:摂食行動はたった2個のニューロンで制御されている
細胞:誘導多能性への道は単純ではない
医学:胆汁酸の代謝産物が食餌とがんを結びつける
免疫:ナノ粒子インフルエンザワクチン