Nature ハイライト
免疫:ナノ粒子インフルエンザワクチン
Nature 499, 7456
季節性インフルエンザに対する現世代のワクチンの有効性は限られている。なぜなら迅速に進化するウイルスに対処するためには新しいワクチンを作製する必要があり、しかもその作製は旧式で時間がかかる技術を使うからだ。今回、自己集合性のフェリチンからなるナノ粒子をウイルスの接着タンパク質である未変性ヘマグルチニンと融合させたものを使う、新しいインフルエンザワクチンが報告された。このヘマグルチニン–ナノ粒子ワクチンは中和抗体を誘導し、また認可済みインフルエンザワクチンに比べてより多様なウイルス亜型に対して高い免疫を生み出すことが明らかになった。例えば、1999ヘマグルチニン–ナノ粒子ワクチンによって誘導された抗体は、1934〜2007年のH1N1ウイルスを中和し、2007 H1N1ウイルスによる感染からフェレットを防御した。
2013年7月4日号の Nature ハイライト
医学:腎臓がんの統合的解析
分子生物学:53BP1タンパク質のDNA損傷部位への誘導
宇宙:大域的な惑星形成率
物理:人工原子の減衰をスクイーズする
生物無機化学:効率の良い水素生成のモデル
進化:古代のウマのDNAからウマ属系統を解明
神経科学:摂食行動はたった2個のニューロンで制御されている
細胞:誘導多能性への道は単純ではない
医学:胆汁酸の代謝産物が食餌とがんを結びつける
免疫:ナノ粒子インフルエンザワクチン