Nature ハイライト

進化:古代のウマのDNAからウマ属系統を解明

Nature 499, 7456

モンゴル西部に生息するモウコノウマ。飼育下で繁殖させた個体の再導入により再野生化が試みられている。
モンゴル西部に生息するモウコノウマ。飼育下で繁殖させた個体の再導入により再野生化が試みられている。 | 拡大する

Credit: Claudia Feh, Association pour le cheval de Przewalski: TAKH, Le Villaret, F 48125 Meyrueis Tak

カナダのユーコン準州で約78万〜56万年前の永久凍土層から発掘されたウマの骨から、低カバー率の概要ゲノム配列が得られた。これは、解読された全ゲノム塩基配列としては、これまでで最も年代が古い。得られたデータは、更新世後期のウマ、現代の家畜ウマ5品種、モウコノウマ(モンゴルのステップ原産で絶滅が危惧されている亜種)およびロバの概要ゲノム配列と比較された。比較ゲノミクスにより、現代のウマ、シマウマおよびロバの全ての起源となるウマ属系統が生じたのは、約450万〜400万年前であることが示唆された。この年代は従来の想定よりもはるかに古い。またこのデータは、モウコノウマが最後の現存する野生ウマ集団であるという説を裏付けている。

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