Nature ハイライト

ナノテクノロジー:新しいタイプの粒子加速器

Nature 503, 7474

ナノ加工により作製された、長さ3 mmの溶融石英DLAチップ。
ナノ加工により作製された、長さ3 mmの溶融石英DLAチップ。 | 拡大する

Credit: Matt Beardsley/SLAC

高周波数技術に基づく従来型の粒子加速器は、装置が大型であり、運転するのに費用がかかる。微細加工により作製された誘電体レーザー加速器(DLA)は、小型で経済的であり、リソグラフィー法を用いて簡単に製作できるものでありながら、現行の加速器よりもはるかに大きい加速場を維持できるため、代替加速器として関心を集めている。今回、250 MeV m−1を超える持続した高い勾配で、相対論的電子を加速できるDLAが初めて実験により実証されたことが報告されている。この結果によって、集積したオンチップシステムからなる将来の多段DLA装置を開発する準備が整い、MeV級からGeV級の小型卓上加速器が可能になる。その応用としては、セキュリティースキャナー、医療、生物学研究や材料研究に使うX線光源、そして持ち運び可能な医用画像化装置などが挙げられる。

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