Nature ハイライト
神経科学:活動依存的なニューロン活性
Nature 503, 7474
個々のニューロンは、その細胞体や樹状突起で受け取ったシナプス入力を識別しているが、行動がそれらの入力のバランスにどのような影響を与えるのかはよく分かっていない。今回M Greenbergたちは、マウス海馬のニューロンが感覚刺激の増加に応答して、転写因子NPAS4とその標的遺伝子産物である脳由来神経栄養因子(BDNF)の濃度を上昇させ、次にこのBDNFが、細胞体の抑制性シナプスを増加させる一方で樹状突起の抑制性シナプスを不安定化させることを示した。つまり、個々のニューロンは感覚刺激に、その細胞体出力を制限しつつ樹状突起の可塑性を促進することで、抑制性入力の地図を描き替えて、感覚刺激に対応しているのである。
2013年11月7日号の Nature ハイライト
気候:気候強制力は自然起源と人為起源のエアロゾルのどちらが大きいか
神経科学:課題に関係した感覚入力を選択して統合する機構
構造生物学:ドーパミン輸送タンパク質の構造
ナノテクノロジー:新しいタイプの粒子加速器
応用物理学:自己組織化するマイクロロボットを目指して
化学:コロイドを使った磁場のマジック
進化生物学:違っている理由
神経科学:活動依存的なニューロン活性
細胞生物学:筋ジストロフィーにおけるジストログリカンの役割