Nature ハイライト

化学:コロイドを使った磁場のマジック

Nature 503, 7474

磁場の「鋳型」を用いて形成された非磁性粒子の集合体。
磁場の「鋳型」を用いて形成された非磁性粒子の集合体。 | 拡大する

Credit: Ahmet F. Demirörs

原理的には、多種多様な材料でできたコロイド粒子は、集合して容易に機能性構造体を作ることができ、フォトニクス、エレクトロニクス、センシング用に用いることができる。しかし、実際は、タイプの異なる複数種の粒子を用いて複雑な格子や集合体を形成することは困難である。今回、A Demirörsたちは、磁場の微小勾配を仮想鋳型として使って、磁性コロイドや非磁性コロイドをマイクロメートルの精度と高い収率で集合させて、配列や複雑な三次元構造体を形成している。この方法は、ポリマー粒子やシリカ粒子の他に、生きた細菌でも実証されている。また、大規模な並列操作が可能であるのに加えて、二次元および三次元で非磁性体と磁性体を同時に操作できるので、今回の方法によって、コロイド粒子の集合体形成や細胞の位置調節や操作を行う道が開けると予想される。

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