Nature ハイライト
化学:コロイドを使った磁場のマジック
Nature 503, 7474
原理的には、多種多様な材料でできたコロイド粒子は、集合して容易に機能性構造体を作ることができ、フォトニクス、エレクトロニクス、センシング用に用いることができる。しかし、実際は、タイプの異なる複数種の粒子を用いて複雑な格子や集合体を形成することは困難である。今回、A Demirörsたちは、磁場の微小勾配を仮想鋳型として使って、磁性コロイドや非磁性コロイドをマイクロメートルの精度と高い収率で集合させて、配列や複雑な三次元構造体を形成している。この方法は、ポリマー粒子やシリカ粒子の他に、生きた細菌でも実証されている。また、大規模な並列操作が可能であるのに加えて、二次元および三次元で非磁性体と磁性体を同時に操作できるので、今回の方法によって、コロイド粒子の集合体形成や細胞の位置調節や操作を行う道が開けると予想される。
2013年11月7日号の Nature ハイライト
気候:気候強制力は自然起源と人為起源のエアロゾルのどちらが大きいか
神経科学:課題に関係した感覚入力を選択して統合する機構
構造生物学:ドーパミン輸送タンパク質の構造
ナノテクノロジー:新しいタイプの粒子加速器
応用物理学:自己組織化するマイクロロボットを目指して
化学:コロイドを使った磁場のマジック
進化生物学:違っている理由
神経科学:活動依存的なニューロン活性
細胞生物学:筋ジストロフィーにおけるジストログリカンの役割