Nature ハイライト
細胞生物学:筋ジストロフィーにおけるジストログリカンの役割
Nature 503, 7474
ジストログリカンは細胞外表面周辺に糖タンパク質部分があり、この部分が翻訳後に糖による修飾を受ける。ジストログリカンが受容体として機能するには、LARGEと呼ばれる酵素によるこのようなグリカン(多糖)の付加が必要である。LARGEによるグリカン付加が抑制されると、さまざまな型の筋ジストロフィーにつながるが、その機序は不明である。今回K Campbellたちは、ジストログリカン上のLARGEによるグリカン部分の伸長とその細胞外マトリックスリガンドに対する結合能の間に、直接的な相関関係があることを明らかにした。LARGEグリカン反復配列が短いと、ジストロフィーの素因となる筋肉の機能不全などのさまざまな欠陥が生じる。さらに、臨床的な重症度の高い筋ジストロフィー患者ほど、LARGEグリカンの短縮の度合いが大きいことも明らかになった。
2013年11月7日号の Nature ハイライト
気候:気候強制力は自然起源と人為起源のエアロゾルのどちらが大きいか
神経科学:課題に関係した感覚入力を選択して統合する機構
構造生物学:ドーパミン輸送タンパク質の構造
ナノテクノロジー:新しいタイプの粒子加速器
応用物理学:自己組織化するマイクロロボットを目指して
化学:コロイドを使った磁場のマジック
進化生物学:違っている理由
神経科学:活動依存的なニューロン活性
細胞生物学:筋ジストロフィーにおけるジストログリカンの役割