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Cover Story:ゆったり進化する生きもの:進化速度が最も遅い脊椎動物ゾウギンザメのゲノム塩基配列

Nature 505, 7482

ゲノム塩基配列が解読されたゾウギンザメ。
ゲノム塩基配列が解読されたゾウギンザメ。 | 拡大する

Credit: B. Venkatesh

ゾウギンザメ(Callorhinchus milii)は、オーストラリア南部およびニュージーランドの沖の温水海域だけに生息する軟骨魚類で、深さ200~500 m付近で暮らし、春には繁殖のために浅瀬に移動する。今回、ゾウギンザメのゲノム塩基配列が解読された。他の脊椎動物ゲノムとの比較により、このゲノムの進化速度が、シーラカンスを含めた既知の脊椎動物の中で最も遅いことが明らかになった。またゲノム解析によって、CD4受容体やそれに関連するサイトカイン類の一部を欠いた独特な適応免疫系の存在が明らかになり、軟骨魚類が始原的な顎口類適応免疫系を持つことが示された。分泌性カルシウム結合リン酸化タンパク質をコードする遺伝子が存在しないことも分かったが、これは軟骨魚類に骨が存在しないことと一致している。(Article p.174)

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