Nature ハイライト
神経科学:発生途上の局所的アストロサイトが持つ位置決め作用
Nature 509, 7499
中枢神経系におけるシナプス形成の調節因子であることが広く認められているアストロサイトは、発生中に複数の異なる領域に留まるようになる傾向があることが、最近の研究で示されている。だが、アストロサイトのこうした局所的集団が同類なのか、異なるのか、また、差異があるとすればそれがシナプス発生に影響するのかどうかについては分かっていなかった。今回、D Rowitchたちは、脊髄中のアストロサイト局所集団が領域特異的な遺伝子を発現できる状態にあり、中でも、腹側のアストロサイトがコードするSema3aが適切な運動神経回路の構築と、感覚求心路の典型的な投射パターンの形成に必要であることを明らかにした。著者たちは、これらのアストロサイトが位置情報を提示し、適切な回路の形成と精緻化を維持しているのではないかと述べている。
2014年5月8日号の Nature ハイライト
宇宙:宇宙を再現する
神経科学:発生途上の局所的アストロサイトが持つ位置決め作用
神経科学:視覚発達でのMHC分子の役割
宇宙:ガンマ線バーストの可視光残光中に見られた円偏光
材料科学:摩擦と破壊を結び付けているのは何?
気候:熱帯の変化により駆動される北極域の温暖化
生態学:生態系機能における植物リターの多様性
生物多様性:新しい種には新しいニッチが必要
免疫:食細胞での活性酸素種産生
構造生物学:光受容体タンパク質によるシグナル増幅