Nature ハイライト
合成化学:新しい含窒素天然物の合成
Nature 509, 7500
今回、シトリナリンBとシクロピアミンBという天然物が初めて合成されたことが報告された。さらに、この研究の副産物として、当初決定されたシトリナリンBの構造を修正することも提案されている。合成目標分子中に窒素原子が存在すると、合成が難しくなることがある。それは、窒素は塩基性を示す上に酸化されやすいからである。だがこの問題は、塩基性を緩和するように官能基の選択的導入や除去を行うことで回避できる。今回、こうした手法を改良して、プレニル化インドールアルカロイドであるシトリナリンBとシクロピアミンBが合成された。今回の結果は、キニーネやモルヒネなどの医薬品を含む化合物群の化学合成に道を開くものである。
2014年5月15日号の Nature ハイライト
合成化学:新しい含窒素天然物の合成
神経科学:子育て行動を制御するニューロン群
神経科学:網膜の方向検出
細胞:心臓再生でのc-kitの役割は小さい
宇宙:銀河系の広がった外部フレア円盤に見つかった若いケフェイド
物理化学:遷移金属化合物における3d励起の追跡
気候科学:極方向へ押し出される熱帯低気圧
免疫:細菌 vs 自然免疫系
合成生物学:拡張された遺伝アルファベットを用いる細菌