Nature ハイライト
気候科学:極方向へ押し出される熱帯低気圧
Nature 509, 7500
熱帯低気圧の活動の変化を監視しようという試みは、その発生頻度や持続期間、強度などの測定の全球データセットに一貫性がないことで、妨げられている。J Kossinたちは、こうした測定の代わりに、熱帯低気圧が一生のうちで最大の強度に達した緯度という、はるかにロバストな測定結果に着目して、この長年にわたる問題を回避している。その結果、過去30年間に、強さが最大になった領域の位置が10年間当たり約60 kmという速度で着実に極方向に移動していたことが分かった。この移動は、風の鉛直シアと最大可能強度の変化に関連していると思われ、著者たちは地球温暖化に伴って熱帯域の幅が最近広がっていることとこの変化とが関連しているのではないかと考えている。
2014年5月15日号の Nature ハイライト
合成化学:新しい含窒素天然物の合成
神経科学:子育て行動を制御するニューロン群
神経科学:網膜の方向検出
細胞:心臓再生でのc-kitの役割は小さい
宇宙:銀河系の広がった外部フレア円盤に見つかった若いケフェイド
物理化学:遷移金属化合物における3d励起の追跡
気候科学:極方向へ押し出される熱帯低気圧
免疫:細菌 vs 自然免疫系
合成生物学:拡張された遺伝アルファベットを用いる細菌