Nature ハイライト
免疫:細菌 vs 自然免疫系
Nature 509, 7500
インフラマソームは多数のタンパク質から構成される複合体で、炎症の主要なメディエーターであるカスパーゼ-11活性化のプラットフォームとして機能する。グラム陰性細菌由来のリポ多糖(LPS)は、I型インターフェロンによって活性化され、カスパーゼ-11を標的とする新規のインフラマソーム経路によって感知される。今回、マウスを使った研究で、小胞内に取り込まれた病原菌によるカスパーゼ-11の活性化には、インターフェロン誘導性低分子GTP分解酵素(いわゆるGBPタンパク質)の発現が必要であることが示された。これらのGBPタンパク質は、病原体を含む小胞の膜を攻撃して分解を誘導し、次いでカスパーゼ-11が仲介するインフラマソーム活性化を引き起こす。今回の知見は、病原体を含む小胞、つまりファゴソームの宿主によって誘導される破壊が非常に重要な免疫機能であり、これはまた、細胞質の自然免疫センサーが小胞内細菌を確実に認識するための仕組みとなっていることを実証している。
2014年5月15日号の Nature ハイライト
合成化学:新しい含窒素天然物の合成
神経科学:子育て行動を制御するニューロン群
神経科学:網膜の方向検出
細胞:心臓再生でのc-kitの役割は小さい
宇宙:銀河系の広がった外部フレア円盤に見つかった若いケフェイド
物理化学:遷移金属化合物における3d励起の追跡
気候科学:極方向へ押し出される熱帯低気圧
免疫:細菌 vs 自然免疫系
合成生物学:拡張された遺伝アルファベットを用いる細菌