Nature ハイライト
Cover Story:冷却された水:超高速X線で結晶化寸前の過冷却水を調べる
Nature 510, 7505
真空中で急速に冷却された水滴が氷になる寸前の様子が、フェムト秒X線レーザーの高強度パルスを使って調べられた。J Sellbergたちのこの研究によって、不明確な中間領域、いわゆる「ノー・マンズ・ランド」にある、過冷却が進んだ液体相に関する極めて珍しい構造情報が得られた。こうした領域では、水の異例な特性が著しく強くなるが、氷が迅速に形成されるために通常の技術では測定できなかったのである。J Palmerたちのもう1つの論文では、この領域にある水が先進的なシミュレーション法を使って調べられ、構造が異なる2つの液体相の間での相転移が見つかっている。これによって、水が持つ多くの異例な性質が説明されるかもしれない。(Letters pp.381, 385)
2014年6月19日号の Nature ハイライト
量子物理学:状況に応じた量子計算
植物科学:ユーカリのゲノム塩基配列解読
細胞生物学:遺伝子発現の変動を追跡する
神経科学:パーキンソン病でマイトファジーを治療標的に
物理学:電子間の磁気相互作用
地球科学:シリカは沈み込み帯のゆっくり地震に関連している
生化学:小型の分子が線虫の一種C. elegansの寿命を延ばす仕組み
がん:組織特異的因子群はPTENが関わる白血病に影響を及ぼす
免疫:p110δ阻害剤はTreg活性を抑制する
微生物学:栄養不良への腸内微生物叢の応答