Nature ハイライト
生化学:小型の分子が線虫の一種C. elegansの寿命を延ばす仕組み
Nature 510, 7505
さまざまな生物で、カロリー制限は寿命を延ばし、加齢に伴う機能低下を遅らせることがある。いくつかの低分子量の代謝産物が老化過程を調節することが知られているが、その機構についてはほとんど解明されていない。今回J Huangたちは、トリカルボン酸回路(クエン酸回路)の中間体であるα-ケトグルタル酸(α-KG)が線虫の一種であるCaenorhabditis elegans成体の寿命を、約50%まで延ばすことを明らかにした。α-KGの標的分子はATPシンターゼのβサブユニットである。α-KGはTOR(target of rapamycin)経路に依存して作用し、食餌制限されている動物の寿命は延ばさないことから、α-KGの影響と飢餓/食餌制限との間につながりがあると考えられる。
2014年6月19日号の Nature ハイライト
量子物理学:状況に応じた量子計算
植物科学:ユーカリのゲノム塩基配列解読
細胞生物学:遺伝子発現の変動を追跡する
神経科学:パーキンソン病でマイトファジーを治療標的に
物理学:電子間の磁気相互作用
地球科学:シリカは沈み込み帯のゆっくり地震に関連している
生化学:小型の分子が線虫の一種C. elegansの寿命を延ばす仕組み
がん:組織特異的因子群はPTENが関わる白血病に影響を及ぼす
免疫:p110δ阻害剤はTreg活性を抑制する
微生物学:栄養不良への腸内微生物叢の応答