Nature ハイライト

神経科学:パーキンソン病でマイトファジーを治療標的に

Nature 510, 7505

ユビキチンリガーゼであるパーキンとプロテインキナーゼPINK1の2つの酵素は、損傷したミトコンドリアの除去(マイトファジー)に関わっており、これらの酵素の機能喪失変異は家族性パーキンソン病と関連付けられている。今回、ミトコンドリアに局在する脱ユビキチン化酵素USP30が、パーキンによって付けられた「タグ」であるユビキチンを除去して、マイトファジーに対して拮抗的に働くことが示された。USP30の活性を低下させると、ニューロンでのミトコンドリアの分解が促進され、USP30をノックダウンすると、パーキンの病原性変異によって生じたマイトファジー異常が回復する。ショウジョウバエ(Drosophila)モデルでUSP30をノックダウンすると、パーキンあるいはPINK1を欠損したハエでミトコンドリアの完全性と生存率が回復する。従って、USP30の阻害はミトコンドリアの除去と品質管理を促進することでパーキンソン病の治療に役立つ可能性がある。

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