Nature ハイライト
集団遺伝学:遺伝子に記されたオオカバマダラの「渡り」
Nature 514, 7522
オオカバマダラは、北米大陸を縦断する大移動を毎年行うことでよく知られている。M Kronforstたちは今回、世界中のオオカバマダラとその近縁種、計101個体のゲノムの塩基配列解読を行うことで、飛翔筋の機能に関わる座位内に移動と関連する選択のシグネチャーを見つけ、これらがより大きな飛翔効率をもたらしたことを明らかにした。また、オオカバマダラの警告色の多様性は、これまで昆虫の体色に関与すると考えられていなかった単一のミオシン遺伝子によって制御されていることも分かった。ただしマウスでは、この遺伝子のホモログであるミオシン5aが毛色の淡色化という非常によく似た表現型を生じる。これらの結果から、オオカバマダラは祖先が移動性で、北米から分散して現在の広範囲にわたる分布域に定着したと考えられる。
2014年10月16日号の Nature ハイライト
集団遺伝学:遺伝子に記されたオオカバマダラの「渡り」
細胞:長命の前駆細胞が血液細胞を生み出す
神経科学:グルタミン酸受容体の3つの状態の構造
宇宙:初期星形成のモデル
固体物理学:酸化銅の巨大励起子
電気化学:安価な液体電池の開発
地球化学:マントルプリュームの地球化学的性質
進化:群選択が働いている証拠
免疫:RIG-Iによる幅広いウイルス認識
がん:網膜芽細胞腫の起源