Nature ハイライト
神経科学:グルタミン酸受容体の3つの状態の構造
Nature 514, 7522
イオンチャネル型グルタミン酸受容体の機能を明らかにするには、閉じたコンホメーションから活性化状態、さらに脱感作された状態へのコンホメーション変化の構造基盤の解明が重要である。この種の受容体には、中枢神経系で興奮性シナプス伝達のメディエーターとして働くNMDA受容体、AMPA受容体、デルタ受容体やカイニン酸受容体が含まれる。受容体の細胞外表面へのリガンドの結合により陽イオン選択性の小孔が開き、チャネルの開口後に脱感作が起こって、それにより小孔が閉じる。今回、S Subramaniamたちは、低温電子顕微鏡法を使って、静止状態、開口状態および脱感作状態という複数の機能状態にあるAMPA受容体GluA2とカイニン酸受容体GluK2を可視化した。著者たちは、これらの構造に基づいてグルタミン酸受容体のゲート開閉サイクルの分子モデルを提案している。
2014年10月16日号の Nature ハイライト
集団遺伝学:遺伝子に記されたオオカバマダラの「渡り」
細胞:長命の前駆細胞が血液細胞を生み出す
神経科学:グルタミン酸受容体の3つの状態の構造
宇宙:初期星形成のモデル
固体物理学:酸化銅の巨大励起子
電気化学:安価な液体電池の開発
地球化学:マントルプリュームの地球化学的性質
進化:群選択が働いている証拠
免疫:RIG-Iによる幅広いウイルス認識
がん:網膜芽細胞腫の起源