Nature ハイライト

がん:網膜芽細胞腫の起源

Nature 514, 7522

網膜芽細胞腫(RB)遺伝子の両方の対立遺伝子の不活化は、一般的には網膜芽細胞腫の形成を引き起こし、他の種類の腫瘍が形成されることはまれである。今回、D Cobrinikたちは、網膜芽細胞腫の起源となるヒト網膜の細胞を明らかにし、この理由を説明した。彼らの研究により、ヒト網膜のさまざまな細胞種の中で、RB欠損時に形質転換感受性になるのは錐体前駆細胞のみであることが分かった。これは、錐体前駆細胞に特異的な分子的枠組みによるもので、これは、例えばRB喪失に協力するように働くMDM2MYCNの発現レベルが高いことなど、錐体前駆細胞特異的な分子的枠組みによるものである。このような原理は、イニシエーションのきっかけとなるある発がん性変異が、特定のタイプのがんに関連する傾向が高いことのより一般的な説明になるかもしれない。

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