Nature ハイライト
無機化学:四酸化イリジウムカチオンにおける9価の酸化状態
Nature 514, 7523
形式酸化状態という概念は、一般化学を理解するための基礎であり、元素をもっぱら原子番号と電子配置でグループ分けする周期表に記されている。従って、異常な酸化状態の元素を含む化合物の合成と特性評価は、無機化学では非常に興味深い問題である。あらゆる化学元素の中で、実験的に分かっている最高の形式酸化状態は、現時点で8価である。今回、四酸化イリジウムカチオン[IrO4]+を形成し、赤外光解離分光法で確認したことが報告されている。このカチオンのイリジウム中心は、過去最高の9価の形式酸化状態をとる。
2014年10月23日号の Nature ハイライト
遺伝学:4万5000年前の現生人類のゲノム
医学:肺疾患の細胞移植治療
構造生物学:HIV-1ウイルスが免疫を回避する際の構造基盤
宇宙:がか座β星に見つかった系外彗星
ナノテクノロジー:単層二硫化モリブデンの圧電性
無機化学:四酸化イリジウムカチオンにおける9価の酸化状態
発生生物学:Hoxと分節化の早期の結び付き
進化遺伝学:南北アメリカ大陸の結核の歴史
免疫学:リンパ節を膨張させる機構
がん:急性リンパ芽球性白血病の標的治療