Nature ハイライト
がん:急性リンパ芽球性白血病の標的治療
Nature 514, 7523
今回、ヒストンH3リシン27を脱メチル化する2つのデメチラーゼであるJMJD3とUTXが対照的な役割を果たしていることが、ヒトのT細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)細胞とこの疾患のマウスモデルで明らかにされた。JMJD3はT-ALLでは過剰発現されていて、疾患の発症と維持に必須だが、UTXはヒトT-ALLで見られる不活性化変異の標的であり、腫瘍抑制因子として働いている。デメチラーゼの低分子阻害剤の1つはT-ALL細胞株の増殖を阻害した。これは予後不良で現在は標的療法が存在しない急性白血病の1つに対する治療法候補となりそうだ。
2014年10月23日号の Nature ハイライト
遺伝学:4万5000年前の現生人類のゲノム
医学:肺疾患の細胞移植治療
構造生物学:HIV-1ウイルスが免疫を回避する際の構造基盤
宇宙:がか座β星に見つかった系外彗星
ナノテクノロジー:単層二硫化モリブデンの圧電性
無機化学:四酸化イリジウムカチオンにおける9価の酸化状態
発生生物学:Hoxと分節化の早期の結び付き
進化遺伝学:南北アメリカ大陸の結核の歴史
免疫学:リンパ節を膨張させる機構
がん:急性リンパ芽球性白血病の標的治療