Nature ハイライト

がん:急性リンパ芽球性白血病の標的治療

Nature 514, 7523

今回、ヒストンH3リシン27を脱メチル化する2つのデメチラーゼであるJMJD3とUTXが対照的な役割を果たしていることが、ヒトのT細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)細胞とこの疾患のマウスモデルで明らかにされた。JMJD3はT-ALLでは過剰発現されていて、疾患の発症と維持に必須だが、UTXはヒトT-ALLで見られる不活性化変異の標的であり、腫瘍抑制因子として働いている。デメチラーゼの低分子阻害剤の1つはT-ALL細胞株の増殖を阻害した。これは予後不良で現在は標的療法が存在しない急性白血病の1つに対する治療法候補となりそうだ。

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