Nature ハイライト
構造生物学:哺乳類電子伝達系複合体Iの構造
Nature 515, 7525
ミトコンドリアの電子伝達系の1番目の酵素は複合体I(NADH-ユビキノンオキシドレダクターゼ)で、NADHからユビキノンへの電子伝達を、ミトコンドリア内膜を横切るプロトンの移動と共役させ、これがATP合成につながる。今回、ウシ心臓のミトコンドリア由来の複合体Iについて、低温電子顕微鏡による分解能5 Åの構造が報告された。これまで構造が報告されている下等な生物の複合体Iに比べ、哺乳類の複合体Iはずっと大きい。著者たちは、44個のサブユニットのうち、よく保存された14個のコアサブユニットと哺乳類特異的な14個のサブユニットの計28個について構造的にどこに帰属するかを明らかにした。
2014年11月6日号の Nature ハイライト
進化生物学:細菌細胞は進化のために個体性を捨てる
構造生物学:哺乳類電子伝達系複合体Iの構造
宇宙物理学:熱くなったり冷えたりする銀河団
宇宙物理学:磁場を持った白色矮星では冷却が減速する
オプトロニクス:溶液から作製した効率の良い発光ダイオード
有機化学:新しい不斉光触媒
生態学:植物の共存共栄
発生生物学:胚の細胞が連携する仕組み
がん:CCL2/インターロイキン6阻害薬の抗がん作用