Nature ハイライト
生態学:植物の共存共栄
Nature 515, 7525
植物群落は、多様性が高いほど安定性や生産性が高い場合が多く、この効果は時間の経過とともに強まる傾向がある。今回D Zuppinger-Dingleyたちは、この生態学的現象に進化が果たす役割を検討した。それぞれ混合栽培と単独栽培とで育てた、最近の進化的履歴が異なる植物(イネ科植物、双子葉草本類およびマメ科植物)を組み合わせて、新たな生態学的群落を構築した。生態系機能および形態形質の多様性は、混合状態で栽培された植物の群落の方が単独で栽培された植物の群落よりも高かったことから、個体群が生物的環境に適応していくにつれて自然群落の生物多様性効果が強まることが示唆された。小規模な進化が生態的関係に重要であるという今回の知見は、自然群落中の種の共存に対するこうしたさまざまな観点を総合するものである。
2014年11月6日号の Nature ハイライト
進化生物学:細菌細胞は進化のために個体性を捨てる
構造生物学:哺乳類電子伝達系複合体Iの構造
宇宙物理学:熱くなったり冷えたりする銀河団
宇宙物理学:磁場を持った白色矮星では冷却が減速する
オプトロニクス:溶液から作製した効率の良い発光ダイオード
有機化学:新しい不斉光触媒
生態学:植物の共存共栄
発生生物学:胚の細胞が連携する仕組み
がん:CCL2/インターロイキン6阻害薬の抗がん作用