Nature ハイライト
有機化学:新しい不斉光触媒
Nature 515, 7525
化学業界や製薬業界では、光学活性化合物に対する需要が増えており、可視光酸化還元反応と不斉触媒反応を組み合わせた不斉光触媒反応が、経済的な合成手段となる可能性があるとして注目を集めている。今回、キラルイリジウム錯体が光酸化還元触媒反応の増感剤として働くと同時に、2-アシルイミダゾールのエナンチオ選択的アルキル化において効果的な不斉誘導を起こすことが示された。この新規な光酸化還元不斉触媒では、金属中心が唯一のキラリティー源、触媒活性ルイス酸中心、光酸化還元中心という複数の役割を同時に果たしている。この新触媒によって、環境に優しい方法で非ラセミ・キラル分子を合成することが可能になる。
2014年11月6日号の Nature ハイライト
進化生物学:細菌細胞は進化のために個体性を捨てる
構造生物学:哺乳類電子伝達系複合体Iの構造
宇宙物理学:熱くなったり冷えたりする銀河団
宇宙物理学:磁場を持った白色矮星では冷却が減速する
オプトロニクス:溶液から作製した効率の良い発光ダイオード
有機化学:新しい不斉光触媒
生態学:植物の共存共栄
発生生物学:胚の細胞が連携する仕組み
がん:CCL2/インターロイキン6阻害薬の抗がん作用