Nature ハイライト
発生生物学:胚の細胞が連携する仕組み
Nature 515, 7525
発生中の胚では、細胞群の協調的分化によって複雑な組織や器官が出来上がるが、これは非常に効率的な細胞間コミュニケーションに依存する集団的な過程である。増殖中の組織の細胞が、自らの運命を決めるモルフォゲンの細胞外空間への分泌をどのように制御しているのかは不明である。今回、D Gilmourたちはライブ画像化法を用い、ゼブラフィッシュの発生中の側線系の細胞が、共有する微小環境である微小管腔(microlumina)内で、繊維芽細胞増殖因子(FGF)のようなシグナルの強弱が場所によって異なるようにするために自身を配置させることを示した。これによって、細胞の位置に応じて近隣の細胞から協調した応答を得ることが可能になる。これは1つのフィードバック過程であり、これによって細胞の配置にさらに影響が及び、発生が一層進行していく。
2014年11月6日号の Nature ハイライト
進化生物学:細菌細胞は進化のために個体性を捨てる
構造生物学:哺乳類電子伝達系複合体Iの構造
宇宙物理学:熱くなったり冷えたりする銀河団
宇宙物理学:磁場を持った白色矮星では冷却が減速する
オプトロニクス:溶液から作製した効率の良い発光ダイオード
有機化学:新しい不斉光触媒
生態学:植物の共存共栄
発生生物学:胚の細胞が連携する仕組み
がん:CCL2/インターロイキン6阻害薬の抗がん作用