Nature ハイライト
宇宙物理学:磁場を持った白色矮星では冷却が減速する
Nature 515, 7525
宇宙にある恒星の大部分は、白色矮星として知られる燃え尽きたコアとしてその一生を終える。対流している大気を持つ年老いた単独白色矮星の多くは、対流のない若い白色矮星よりも強い磁場を有している。だが磁場は時間とともに弱くなると考えられているため、このことは不可解な問題となっている。また、強い磁場を持つ一部の白色矮星は、自転とともに明るさが変化する。G Valyavinたちは、強い磁場を持つ白色矮星WD 1953-011の可視光観測と分析を行い、磁場が大気対流を抑制していて、これによって暗いスポットが最も磁化された領域内に出現することを見いだした。こうした磁場は十分強いので、磁場のある低温白色矮星では対流が全表面にわたって抑制され、その結果、磁場が弱いか存在しない白色矮星と比べると、磁場が強い白色矮星の冷却進化は抑えられることになる。
2014年11月6日号の Nature ハイライト
進化生物学:細菌細胞は進化のために個体性を捨てる
構造生物学:哺乳類電子伝達系複合体Iの構造
宇宙物理学:熱くなったり冷えたりする銀河団
宇宙物理学:磁場を持った白色矮星では冷却が減速する
オプトロニクス:溶液から作製した効率の良い発光ダイオード
有機化学:新しい不斉光触媒
生態学:植物の共存共栄
発生生物学:胚の細胞が連携する仕組み
がん:CCL2/インターロイキン6阻害薬の抗がん作用