Nature ハイライト
生化学:コハク酸は心臓を破壊する
Nature 515, 7527
M Murphyたちは、虚血性心疾患を起こした心臓のメタボロミクス研究を行い、代謝物の1つであるコハク酸が活性酸素種の産生を促進して、虚血再灌流傷害の一因となっていること、コハク酸は虚血の保存された代謝的特徴であることを明らかにした。虚血の際には、コハク酸デヒドロゲナーゼが逆方向に働いてコハク酸が蓄積する。再灌流を行うと、蓄積したコハク酸が急速に酸化され、ミトコンドリア複合体Iで起こる逆方向の電子伝達を介して活性酸素種産生を促進する。一方、マウスの心臓発作および脳卒中のモデルでコハク酸蓄積を薬理学的に阻害してやると、虚血再灌流傷害が軽減される。
2014年11月20日号の Nature ハイライト
ゲノミクス:マウスのエピジェネティックなDNAエレメントの百科事典
ゲノミクス:マウスのエピゲノムのトランス作動性ネットワーク
ゲノミクス:マウスとヒトで保存されている調節情報
ナノ材料:新しい二次元ナノ材料の新規特性
生物地球化学:農業の発展が大気中CO2の季節変動を増大させる
ゲノミクス:大規模な染色体構造の統一的モデル
神経科学:DISC1遺伝子とシナプス機能不全との関連
植物科学:植物の概日時計系も二元性だった
生化学:コハク酸は心臓を破壊する
生化学:「両手利きの」リボザイム