Nature ハイライト
分子生物学:遺伝子調節を助けるリボソームの選択性
Nature 517, 7532
リボソームは全てが同一に作られているわけではない。最近の研究で、多様なリボソームタンパク質がリボソームに特異性をもたらし、特定の転写産物のみを翻訳できるようにリボソームを特化させている可能性が明らかになってきた。M Barnaたちは今回、Hox遺伝子の5′非翻訳領域のRNA塩基配列研究から、このリボソームの特異性の基盤を解明する手掛かりを得た。転写開始点付近の特定のIRES(internal ribosome entry site)様エレメントが、大型のリボソームタンパク質RPL38を含むリボソームの動員を促すことを見いだしたのである。また、このmRNA群はキャップに依存する標準的な翻訳様式を阻害するエレメントを含んでおり、著者たちはこれをTIE(translation inhibitory element)と名付けた。この2つに分かれた翻訳調節機構によって、重要な発生事象中には特化したリボソームによる制御が行われているらしい。
2015年1月1日号の Nature ハイライト
分子生物学:遺伝子調節を助けるリボソームの選択性
構造生物学:リアノジン受容体の構造
天体物理学:恒星内部についての新しい知見
材料化学:関節軟骨を手本にしたヒドロゲル
気候科学:最終氷期における大西洋循環
分子進化学:古細菌の進化には遺伝子の取り込みが重要だった
細胞生物学:出口はこちら
構造生物学:光化学系IIのさらに精確な構造
構造生物学:コレステロール生合成酵素の構造