Nature ハイライト
天体物理学:恒星内部についての新しい知見
Nature 517, 7532
太陽などの恒星の内部温度プロファイルは主に、輻射が恒星物質によって吸収される速度で決定される。実験室内で恒星に似た条件を作り出して物質のオパシティーを決定することはこれまで不可能だったが、今回J Baileyたちは、世界で最も強力なX線発生装置であるサンディア国立研究所(米国)のZマシンを使って、そのような条件を作り出すことに成功した。実験は、太陽内の輻射層と対流層との境界に非常に近い条件で行われ、波長分解された鉄のオパシティーは予想よりも30~400倍大きいことが明らかになった。これまでの恒星内部の測定は表面波の観測に基づいており、理論的な予想と観測の間で重大な齟齬があった。今回新たに得られた測定結果は、標準太陽モデルと観測とを一致させるために必要なオパシティーの修正値の半分程度を占めている。
2015年1月1日号の Nature ハイライト
分子生物学:遺伝子調節を助けるリボソームの選択性
構造生物学:リアノジン受容体の構造
天体物理学:恒星内部についての新しい知見
材料化学:関節軟骨を手本にしたヒドロゲル
気候科学:最終氷期における大西洋循環
分子進化学:古細菌の進化には遺伝子の取り込みが重要だった
細胞生物学:出口はこちら
構造生物学:光化学系IIのさらに精確な構造
構造生物学:コレステロール生合成酵素の構造