Nature ハイライト
構造生物学:光化学系IIのさらに精確な構造
Nature 517, 7532
J Shenたちは、好熱性シアノバクテリアであるThermosynechococcus vulcanus由来の光化学系II(PSII)膜タンパク質複合体の高分解能構造を明らかにした。酸素発生複合体(OEC)中で水を酸素分子に変換するPSIIは、結晶解析実験中にX線による損傷を受けやすく、このことは構造生物学的研究にとって問題となってきた。今回著者たちは、フェムト秒X線レーザーパルスと高品質のPSII結晶とを用いて、水分解反応に関わる触媒中心の原子間距離を極めて精確に決定し、原子間距離の大半が、これまでに得られていた値よりも短いことを明らかにした。これらの知見は、水の酸化を行う人工触媒の開発に役立つだろう。
2015年1月1日号の Nature ハイライト
分子生物学:遺伝子調節を助けるリボソームの選択性
構造生物学:リアノジン受容体の構造
天体物理学:恒星内部についての新しい知見
材料化学:関節軟骨を手本にしたヒドロゲル
気候科学:最終氷期における大西洋循環
分子進化学:古細菌の進化には遺伝子の取り込みが重要だった
細胞生物学:出口はこちら
構造生物学:光化学系IIのさらに精確な構造
構造生物学:コレステロール生合成酵素の構造