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微生物学:酵母を好む腸内細菌

Nature 517, 7533

ヒト腸内微生物相の優占種の1つであるBacteroides thetaiotaomicronは、宿主の糖タンパク質と酵母由来の多糖の両方に由来する複雑なα-マンノース含有糖質を栄養源として利用できることが明らかになった。B. thetaiotaomicronはα-マンナンを代謝する際に、ひとまず大きめのオリゴ糖に切断してから、それをペリプラズム酵素によって脱重合してマンノースを生成するが、H Gilbertたちは今回、この代謝を可能にしている装置をコードする遺伝子座を突き止めた。共培養実験から、α-マンナン異化作用に関する「利己的」モデルが明らかとなった。このモデルは、多糖の異化には腸内微生物相の多数の細菌種が関与していて、そこから利益を得ているという通説とは異なっている。酵母α-マンナンがヒトの食餌に広く含まれる成分となったのはヒトが現代的な食餌内容を獲得した後なので、この研究は、ヒト腸内微生物相でのグリカン分解の進化がヒト進化における食生活の変化をどのように反映しているかを知るための手掛かりとなるだろう。

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