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気候科学:化石燃料と気候温暖化の間の地域的な選択

Nature 517, 7533

今世紀中の地球温暖化を、広く喧伝されているように産業革命前と比べて2°C以内の上昇に抑えようとするなら、化石燃料の使用量とそれに伴う温室効果ガスの排出量は厳しく制限されなければならない。そうすると、問題なく開発できる石油、天然ガス、石炭の具体的な量および存在場所が問われることになる。C McGladeとP Ekinsは、統合評価モデルを用いて、さまざまな地域での化石燃料の生産量に、温暖化は2°C以下という条件がどういうしばりをかけることになるかを調べた。その結果、2°Cという目標値を達成するには、全球的に、石油埋蔵量の3分の1、天然ガス埋蔵量の半分、現在の石炭埋蔵量の80%以上を、今後40年間使用しないままにすべきであること、さらに、北極での資源開発や、どんな非在来型石油の生産量の増大も、気候変動を制限する取り組みとは相いれないことが明らかになった。

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