Nature ハイライト

宇宙物理学:古典新星におけるリチウム生成

Nature 518, 7539

白色矮星(中央)と太陽のような主系列星もしくはそこから進化した赤色巨星(中央左)からなる近接連星系で起こると考えれる古典新星爆発(イメージ画像)。
白色矮星(中央)と太陽のような主系列星もしくはそこから進化した赤色巨星(中央左)からなる近接連星系で起こると考えれる古典新星爆発(イメージ画像)。 | 拡大する

Credit: National Astronomical Observatory of Japan (NAOJ)

リチウムは宇宙誕生初期に作られたと考えられている。一部はビッグバンによって生み出された可能性があるが、新星や超新星爆発など、より新しい生成源が他にもあるのではないかと推測されている。今回、古典新星V339 Del(いるか座新星2013)の爆発後の紫外線スペクトルの観測で、1階電離したベリリウム7(半減期約53日で崩壊してリチウム7になるベリリウムの放射性同位体)の高青方偏移した共鳴線が検出されたことが報告された。この結果によって、かなりの量のリチウム7が古典的な新星爆発で生み出されているという理論予測が裏付けられた。

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